『シャワートイレで排便がしたい』

  ~利用者さんのご希望にこたえる訪問リハビリ~

利用者様の状態

 

  • 年齢・性別:90歳代・女性
  • 病名:肺悪性リンパ腫、廃用症候群、肺炎、 左大腿骨頚部骨折、神経因性膀胱
  • 介護度:要介護5

 

相談内容


  • 入院せずに自宅で過ごしたい。
  • 長男と同居、同敷地内に次男も住んでいるが、少しでも迷惑をかけずに過ごしたい。
  • 排便だけはシャワートイレを使用したい。(シャワートイレは屋外にしかない)
  • 気候が良い時には屋外へ外出したい。

 

経過

【1回目の入院】

  • 肺悪性リンパ腫にて入院。自宅退院後、廃用症候群のため訪問リハビリ開始。
  • リハビリ開始直後は、寝たきり状態だったが、日中は屋外にあるシャワートイレ、夜間はポータブルトイレで排泄が自立となった。

【2回目の入院】

  • 肺炎を発症し入院。神経因性膀胱のためバルーンカテーテル留置となる。
  • 退院後は、排便時のみ屋外にあるシャワートイレを使用し、自立レベルとなった。

【3回目の入院】

  • 左大腿骨頚部骨折を受傷し入院。自宅退院できたが、歩行レベルが低下し、屋外にあるシャワートイレの使用が困難になる。

 

 

リハ介入の効果

 

  • 入退院を繰り返すことで、身体機能は低下し、屋外トイレの使用が困難になる。
  • しかし、本人からは『シャワートイレで排便をしたい』との強い希望があり、温水シャワー付きポータブルトイレを提案する。
  • 担当者会議をケアマネージャーさんに開催してもらい、本人の希望、生活上の問題、課題について他職種と情報共有し、本人の希望に沿った環境調整、支援体制を整えることができた。
  • 要介助レベルであるが、温水シャワー付きポータブルトイレでの排便が可能になり、本人のQOL向上につながった。
  • 気候の良い日には、車いすでの散歩も訪問リハビリで行い、リハビリ以外の時間で家族と散歩するようにもなり、離床時間の延長、活動範囲の拡大につながった。

 

活動・参加に対するリハビリの効果

 

  • 本人の『シャワートイレでの排便がしたい』という活動に対する希望に対して、適切な福祉用具の選択と動作練習により、温水シャワー付きポータブルトイレでの排便が可能になった。
  • 家族と散歩に出かけることができるようになった。